蒼空の優しさに甘える自分が嫌いだ
仲間に嫌われるのが嫌で
自分が傷つけた相手を利用する俺は
この世で一番憎む存在
「そうか。引き留めて悪かった」
「ううん……大丈夫だよ」
裕と蒼空が話すのを横目に
俺は自身への劣等感で押し潰されそうになっていた
「教室に戻ろう?零君」
「ん…」
裕との会話を終えた蒼空と俺は
自分達の教室に戻るための道を歩く
「あっ、やっと戻ってきたか」
担任が戻ってきた俺たちに気づき
俺に挨拶をするよう促す
面倒だけど仕方ないか
「朝霧 零」
「おい、それだけか?
愛想がないな…大丈夫か?」
名前だけの自己紹介をした俺に
いちいち文句をつける担任
「………………」
そんな担任を睨むと直ぐに視線を外した
「とっ…とりあえず
朝霧の席は雨水の隣だから
なんかあったら雨水に聞け」
そのまま逃げるようにして
教室を出ていった担任
餓鬼か…

