「今日がはじめてですから 俺もついていくことができますが…」 「要らない」 私の横に立つ彼は 私を見下ろしていた視線を 何処か別の場所にやる 「………………そうですか」 彼の提案を断り 私はもう一度 資料に 目を通す これは颯君のためだけに やっているわけじゃない 自分のため 自分の居場所を守るため 私は人を傷つける だから 私は彼の言うように 狡い人間なんだ