KISS or KISS?―メイクアップ・ハロウィン―



彼が、2、3度失敗して、ようやく言葉を口にした。



「い、今のは……イタズラのほうじゃないんですか?」



緑色がかった目がだんだん伏せられていく。



自信に満ちて、ロジカルで、冷静。

そんないつもの彼は、ここにはいない。

メイクで美女に化けた、純情な男の子。

倒錯的で、キレイで、かわいくて。



なんていとおしいんだろう。



「甘いお菓子よ、きみは。もしかして、キスは初めてだった?」



「ど、どうでも、いいでしょう!?」



ギャップだらけの彼は、危険で甘いお菓子。

わたしは他愛なく中毒になってしまいそう。



年下の男の子に手を出すなんて、本当はいけないこと。

しっかりしてるようでも、彼はまだ17歳なんだから。



なんてね。今さらだって、自分でもわかっている。

年齢を言い訳にしてみても、ダメなの。抑えきれない。