おふたり日和 ―同期と秘密のルームシェア―

トラが腕を組んで考えはじめたとき、ウェイトレスの女の子が「お待たせいたしました」とやってきた。


トラがにっこりと笑って「ありがとう」と微笑み、コーヒーのグラスを受けとる。

女の子は顔をほんとり赤らめて、ちらちらと振り向きながら戻っていった。


「あーあ、モテる男は罪だねえ」


くすくす笑いながらトラを見ると、トラは「なんだよ、急に」と眉をひそめた。

トラは自分の笑顔の破壊力を自覚していないのだ。


「あ、そうだ。雑貨屋みたいなとこ行こう」


トラが唐突に手を叩いてそう言った。

私は「雑貨屋?」と首を傾げる。


「珍しいね、トラが雑貨屋行きたいとか」

「いや、冬物の布団、買わないと」

「え? 持ってなかったの?」

「ばーか、うさのだよ」


トラが私のおでこをぺしりと叩いた。


「えっ、私の?」

「ああ。今、タオルケットで寝てるだろ? そろそろ夜は寒くなってくるからさ、厚手のやつに変えないと、風邪ひくだろ」


トラの気づかいに、不覚にもときめいてしまう。


「トラって………ほんといいやつ!」


感激の気持ちをこめて言うと、トラは「そりゃどうも」と笑った。