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香苗は夕方から予定が入っているということだったので、ゆっくりとランチを楽しんだあと、3時前には別れた。
せっかく街まで出てきたのだから、ショッピングでもして帰ろうかな、と思ったけど、一人じゃつまらないもんなあ、と気乗りしない。
とりあえず帰るか、と駅に向かって足を動かしていたとき、バッグの中でスマホが震え出した。
取り出して画面表示を見てみると、トラからの電話。
ナイス・タイミング!
私はすぐに通話ボタンを押した。
「はーい、もしもーし?」
『おー、うさ? ライン見たぞ。もう友達と別れたんだって?』
「あ、うん。なんか予定あったらしくて」
ランチを終えて店を出て、香苗と別れたとき、とりあえずトラに連絡しておいたのだ。
「ねえトラ、今なにしてんの?」
『なにって、べつに特になにも……』
「じゃあさ、今からこっち出てこない?」
『へ?』
「ちょっと買い物つきあってよ。一人だと味気なくてさ」
『おー、いいぞ』
トラはあっさりと承諾した。
フットワークが軽いところもトラの美点だ。



