「桜がお前を探して…

桜……桜……」




考え込む夏樹。


夏樹でも分からない、か……



「桜ってのが引っかかるよね…

桜と言えば春の代名詞と言っても過言じゃない、春の木だよ…」




冬斗の言う通り。



桜が春乃を探す…これが1番意味が分からないんだ。



実際動けない桜は、春乃を探せるわけない。



それとも天界の桜は動ける、って言うんですか!?




「…待って…春の木…」



「?どうしたの夏樹?」




夏樹はいつも通り、にやりと笑った。



まるで小さな子供みたいな笑顔は…何かが分かって浮かべたのだとしか思えない!




「な、夏樹!分かったの!?」




「うん…まあね〜ぃ」




夏樹はにやにやしたまま、人差し指を1本あげる。





「桜は、春の木っつーこと!」





………うん。




「で、なに?」



「なに聞かなかったことにしようとしてるんだよ!?

コレが答えだかんな!!」




いやいや…さすがに意味が分からないです夏樹サン。