生神さまっ!

「…え、さっき俺には『入る勇気が出ない』っていう誰かさんの言葉が聞こえた気がするんだけど」




「気のせいだよ冬斗ー!」




「きのへーきのへー!」




「…仮にも神なのになんなのこの2人」




冬斗が遅れて食事をとりはじめると、女性達は一斉に退室する。



もちろん部屋の外で待機って状態なんだろうけど。




「それにしても…春乃遅くない?」



揚げ豆腐も5つあったのを全て平らげ、もう夕食も残すところお味噌汁1口だけになったところで、ふと気になったことを言ってみる。



だって…遅れるって言っても、遅すぎじゃない?




「俺も思ってたんだよな、それ…」




冬斗はもう夕食を食べ終わり、先程おかわりをもらったお茶の2杯目をすすっている。




「てゆうかさー、お前ら嘘ついただろー!

付き人達が用事あるから行けってヤツ!


俺と春乃、気付いてたからな!」




「…え?」




夏樹は3杯目のご飯をもくもくと食べている最中、行儀悪くも言った。




いや、そんなのどうでもいい。え、気付いてたの!?




「あんなの嘘ってすぐ分かるっつの!

だから俺ら、部屋出た後2人のこと考えて1回自室に行ったんだよ。


なんか2人で話したいことがあるんだろうって思ってさ!」




…最悪のパターンが頭に浮かぶ。



ま、まさか…そんなこと…あるわけない、よね。



…ね?