生神さまっ!

…忘れてた。思いっきり。




冬斗と自然に目が合う。



すると、ゆるゆると首を横に振った。




言うな、ってこと…?




「…そういえば2人共、付き人達が用事があるって言ってたよ。

伝言についてはまた今度にするから、行きな」




「おっけー。じゃ、行くか春乃」



「…うん!」




2人が「またあとでー」と言って私の部屋から出たところを見計らってか、冬斗が口を開く。




「…伝言は、伝えてはいけないものかもしれない」



「え…なんで?」



「いちいち卑弥呼が、敵の中でも1番2番の敵である春乃に伝えたいことってなんだ?

…多分、あの言葉は…春乃が聞いたら戸惑う内容なんだ」




「……そっか……」



「動揺作戦とでも言うべきかな…俺もヤツが言ってたことはよく分からないけど」




うーんと頭をひねって、ひねってが言っていた言葉を思い出す。



えっとぉ…なんか、ホント意味分からないいことだったよな……




「『桜がお前を探して高天原に迷い込んだ』……って、なんのことだろうね?」



「さあ…お前っていうのは、やっぱり春乃だよな」



「うん、多分それは間違いない…」




そこまで言った時、「おーい」という声が襖の外から聞こえた。



春乃だ…!