彼女は背中を私達に見せる。




「待って!!」





ガラにも合わず、思わず叫んでいた。







その刹那、真っ赤な"何か"が彼女の背中へと向かうのが分かった…




体が、熱い…体の奥からなにかがこみ上げてくる…!



それを解放したくって、思いっきり手を前に出す。




「秋奈!!」




「……ほぅ…これはは面白いところを見れたな…

だが…!」




パリイイイイィィン!と、なにかが割れる音がした。



視界が赤に染まり、頭がクラクラしてくる。



ただ無我夢中で、手を前に出していた。



体の奥にあったはずの熱さが、手の先へと向かう。



そこからなにかが放出されていく……!




…それが、突然切れた。




急に、体に衝撃が襲う。




突き刺すような激しい痛みが一瞬したかと思うと…なにかが切れたかのように、体の支えが効かなくなる。




体の熱さも、放出感も…視界は真っ赤から、真っ暗になる。



……今、私…なに、やって…た…




ぐわんと頭が鈍く痛み、床に激しく体は打ち付けられた。




「所詮は"生神"…お前は完全な神ではないのだ…

…わっちと同じでな…」




嘲笑するかのような、けどどこか冷たげで、達観している声が聞こえた後は…




「秋奈!!!」




なぜか"懐かしい"と感じる、彼の声が頭の中で響いていた…