反射的に声のする方へ顔を向ける。



すると、書庫の奥…正しく言えば、冬斗が作り出した壁の向こう側。



突風が吹き荒れるところに、その人はいた。




長い長い青の髪。



不気味に光る目は、大人っぽい色気を漂わせている。



肩を大きく出した乱れた着物をきていて、とても妖艶で美しい女性…




「っ、卑弥呼…!」



「え!?」



あ、あの人が卑弥呼!?



…昔、歴史の教科書で見た絵と随分違うよ!?



しかもあの人…なんであの突風の中立っていられるの!



私なんか吹き飛ばされそうだったのに!




「…いや、もしかしたら見た目に反してすごい体重が…」



「おいそこの失礼な小娘は誰だ」




…もしかして私のことですか?




「あ、初めましてー…私、秋奈というものでして…」



「…秋、奈?」



「は、はい…」




卑弥呼?はジロリと大きな目で、上から下まで、舐め回すように私はゆっくりと見られた。




「もしかしてお前が…」