「うっへぇ…あたしだったらこんなの読めない…」



「うん、なんとなく分かる」



「なんで!?」




だって…ねえ?



ここ1週間、色々なことが分かったけど…




…春乃が結構なおバカちゃんだってことも分かったし。色々な意味で…あはは……




「な、なによぉその目〜!


もう!秋奈達が頭よすぎるの〜!あたしは普通!」




「いや、私高校では至って普通の成績だったよ?

中の上ぐらい。それに進学校ってわけじゃないふつーの高校だったし…」




…傷口に塩を塗っちゃったらしい。



ぷくーっと顔を、ハリセンボンのように膨らました春乃は、「もう!これだから頭いい人は〜!」なんていって、書庫から走ってどっか行っちゃった。





…やっばい。謝らないと、後で。



でも…春乃に聞きたいことがあったんだけどなぁ。




「それに私、ホントにそんなに頭良くないし…」




男子2人の方が全然頭いいと思うけど。




冬斗は桁違いとして、夏樹は一見私と同じぐらいだけど、やったものは絶対忘れないって感じで。



地頭がいいタイプらしく、特になにもしなくても私ぐらいか、それ以上の頭のよさを持ってるという超お得なタイプ。




天才型かも。




「…けどその夏樹や冬斗に聞く前に、春乃に聞きたいこと、あったのになー…」




ふと、つぶやいた言葉。



誰も答えないと思いながらの、独り言。



「別に、春乃の代わりでよければ聞くけど?」