生神さまっ!

「そうなの。

あたしたちは人の姿をしている神様。

けど人神は、常人が色々あってなる神様なんだ」




「色々って、なに?」




うーん、と頭を抱え、うまく説明できなさそうな春乃を察してか、冬斗が口を開く。




「元々"人神"は、人間の信仰形態なんだ。

つまり、人界にいる人達が、実在した人物に"人神"という言葉を当てはめて、勝手に信仰してただけ…


だったんだけど、本当の神様に認められて、晴れて神様になった人達が


"人神"なんだよ」




…つまり、人神ってのは最初は人間達の造語だったけど、



知らぬ間にただの造語が、信仰形態にとどまらず、ホントに神様を指すようになっちゃってたってことか。




「人神になる理由は、主に2つあるんだよな。


1つ目は、生前にまあ人々からすごって思われるような業績を大きく残した奴ら。

秀吉公とかな。


んで、確か2つ目が…なんだったっけな」




夏樹がちら、と冬斗を見る。



はあ、と小さなため息をついた冬斗は「本当はこっちの方が重大なんだけど」とつぶやく。




「2つ目はさ、

生前に色々あって、この世に恨みを持つ人達のこと。

さっき、信仰形態って言ったよね。


その恨みからの祟りを恐れて、祀ったんだ、彼等を」