「…まあこんな感じでね、すっごく竜田姫は変わり者なの!
いたずら大好き、人の驚いた顔大好き…
で、そんな変わり者の竜田姫が。
自分が産んだも同然な秋奈の様子を、もっと長く見ていたいって言ってね…なかなかクリアさせないようにしてたんだよ、条件を」
…いや、竜田姫…どんな人なの…!?
天界の季節を救うために、春、夏、冬の生神を早々に呼んだというのに…
秋(多分)である私の生活を面白おかしく見るためだけに、期間を延ばしてたなんて…
…いくら生みの親でも、呆れるよ…!?
「でもな、急だったよな。
急に『呼んでくる』とか言い出してさー…」
…急に?
「え…なんで?」
「残念ながら、俺らも知らないよ。
聞いてみたけどね」
首を横に振りながら言う冬斗も、不思議そうな顔つきをしてる。
本当に知らないみたい。
「それに、大体俺らは、日本が自分の力の季節になった時に呼ばれてるのに…
秋奈だけが例外、春に呼ばれたんだよ」
…確かに、今はTHE・春。
天界では季節がないせいで春とは言えないけど、人界の方では今は春真っ盛り。
お花見とかで楽しんでる人も多いであろう季節。
「…不思議な人だね、竜田姫って」
「うん…すっごく、ね!」

