生神さまっ!

「…アマテラス様はなぜ、冬斗のことを知っていて…放置していたのですか。

アマテラス様は知っていたはずです。
黒姫様がまだ、冬斗に本当の神としての力を与えてないことも、このままではスサノオに勝てないということも。

本当に季節を取り返したいと願うのならば、冬斗に早く決断を促すはずです。

なぜ、なんですか…」


声が震える。意図もなく、震えた。
そんな私をまっすぐ見据え、アマテラス様は静かに口を開いたのだった。


「…私が、いけないのです。理由は簡単です。


スサノオを、殺したくはなかったからです」



その言葉が、静かな広間に響く。
私も、夏樹も春乃も、元彰も。みんながその言葉に衝撃を隠せなかった。

だって、私たちは。スサノオから季節を奪うために産まれた存在。
なのに…そんなの、本末転倒だ。



「…失礼ながらアマテラス様。神という身分でない私からも、一言申し上げさせていただきたいのですが」


元彰の言葉に、アマテラス様は静かにうなずいた。


「スサノオ様はそう簡単に死ぬようなお方ではおられない。
アマテラス様、ツクヨミ様、そしてスサノオ様。あなた方は特別な存在です。
ちょっとやそっとでは消えるような方ではないのではないでしょうか」


「…そう思うのが普通でしょう。ですが私にはわかります。
神というのは、ほとんどの場合が生まれながらに神の力をもち、地位を持っています。

私たちがもつ神の力は、この世界全体を支配するのに順応した力。
とてつもなく強大で、私たちに勝る力を持つものはいないでしょう…

…個々、の場合ですが」