この感情は何なんだろう。

胸のざわつきが広がる。





そうこうするうちに…屋敷が視界に入ってきた。

私は静かに玄関に立つと、そーっと扉を開く。



「ただいまでーす…」



…うん。さすがに朝の5時だもんね。誰も起きてないよね。
うんうん、一応ばれたときのために部屋に手紙を置いておいたけど、それも用なしだったみたい。

抜き足差し足で私は屋敷に入ると、一人静かに自分の部屋にはい…



「いたー!!!!」


「うわあああああああああああ!!!!」











「ほんっとに探したんだよ?めっちゃくちゃ心配したんだからあ!」


「…すいません」


「ほんとだぞ秋奈、俺たちがどれだけ心配したと思って…」




…バレてました。
いやほんとにすいません。まじで。

ぷんぷんという効果音が聞こえそうな怒り方をする春乃の手には私が書いた手紙。うん。読んでたのね。




「でもどうしてみんなきづいたの…普通にいつもなら寝てる時間じゃないの…?」




私の言葉に、今まで怒っていた2人がさあっと顔の色を変えた。

ただならぬ2人の空気に、私も気づいてしまった。
…嫌な予感がする。



「…ねえ。冬斗はどこ…?」



私の問いにうつむいた春乃。
背中に寒気が入った。



夏樹が私を見据え、重そうに口を開いた。