生神さまっ!

「俺のこの力は…痛みに大きく左右される。


さっきのガラスの破片で一気に痛みを覚えた俺は、この枷を凍らしつくして、割った」



「じゃあ、なんでこの人は…」



未だ何かをうめきながら、まるで私達と違う方向に行っているオーナー。



「…俺もよく分からない。けど。


最近分かったんだ。俺の力は雪を降らせるだけじゃない。


冬の力を、操ることができる」



「…冬の力?」



「うん。勝手にそう言ってるだけだけど。


俺がイメージすれば、手から雪のように冷たい、いや、それ以上に冷たい何かを出すことができた。


それをアイツの目にやっただけだ」




目…。

ふと、先程から目を抑え地で暴れている彼に目を向ける。
なにか喚いているが、私達のいる方向とは違う方へ喚いている。


「…殺しちゃうの?」


「…俺にはできないよ。かわいそうだし」




”かわいそう”

その、対象は…



「冬夜が、かわいそうだから…?」



冬斗は、答えない。

ただ、倒れこんで動いているだけのオーナーを見ていた。




「…冬夜は、あいつに言われたんだよ。

さっき言っていたことを。


そこから冬夜は少しずつおかしくなっていった。


秋奈と出会った時の冬夜は…ぎりぎりだった。



そんな時に秋奈が、来てくれた。


たまたまだとは思えない、けど…何か因果が働いたのか、来てくれたんだ」



…私がここに来たのがたまたまだったのか。
たまたまに決まっている。私は何も知らないでここへ来たのだから。


でも、それじゃあ…



「冬夜は…冬斗は、2人はどうなっちゃうの?」



「…俺は、冬夜に戻ろうと思う。

もともと俺は、冬夜だった」