生神さまっ!

私が術を…扱えられるようになったら。



春の玉を、スサノオから奪える。



…春乃が、元気になる。




「…早く、使えるようになりたいなー…」




「…急に?どうした…?」




「だって…ううん、

ただ知りたいだけ!みんなみたいに綺麗な術を使えたらいいなーって!」




「そうか」




冬斗の瞳は、出会った頃から不思議な感じがした。



黒い瞳は、冷たいけれど…優しい。



矛盾しているような、してないような、そんな感じ。



その目が、私に『分かってる』…そう言ってる気がした。




「…秋奈?おーい!大丈夫ー?」



「あ、春乃…うん、ごめん、ぼーっとしてた!」



「お?まさか冬斗に見惚れてたり?」



「あ、それは違うよ夏樹」




即答かよ…と隣で笑っている夏樹を無視して、残りの朝食を平らげる。



うん!美味しかった!




「ごちそうさま。美味しかったー」



ほぼ同時に冬斗も食べ終わったみたい。



女の人達が部屋に入って来て、お皿とかを運んでいった。



部屋が綺麗になると「移動しようか」という冬斗の提案で、とりあえず春乃の部屋に行くことに。