生神さまっ!

「…くそっ」



そうつぶやいた冬斗の息が、寒空に白く浮かび上がる。

恐いぐらいに深い闇の中、でもはっきりと…冬斗の表情が分かった。




「なんで…そんなこと、言ったの…」



気付けば紡いでいた私の声は、もう戻らなかった。

少し驚いたように、私の方へ向けられる視線。




「ばかじゃないの…ほんと…

親として、ありえない…ほんとに…ありえない」




「…ありえなくて結構。

俺はお前を、それとしてしか見ていない」




「…今まで信じていた人に裏切られるってことが、どんなに苦しいか…

あんた、分かってるの?」



「君は分かるのかい?」




…分かる。分かるに決まってる。


わたしだって信じてた。

最後の最後まで、それを言われるまで、信じていたんだ。





「あんたなんか、失格だよ。

私は…このことをネットに書き込むことだって、警察を呼ぶことだってできる。


彼の能力の事はばれなくても、有名ホテルの支配人が虐待をしていたなんて知られたら…


どっちにしろ、終わりよ」