生神さまっ!

気付けば、私自身あまり寒さを感じなくなっていた。



あんなに凍えるほど寒かったはずなのに。


不思議な空間。






「…俺は、生まれたんだ。


冬夜が"あの言葉"を聞いた日に。


そしてあの日から冬夜は、きっと機会をずっと伺っていたんだ。



ずっと」






なぜだろうか、


私はその言葉を、



知っている気がした。












「…もしかして、それって…」





私の声は発せられなかった。



ものすごい勢いで後ろへと引っ張られ、冬斗の枷に触れていたはずの手が離れて行く。



驚きを隠せないでいる冬斗の目は、空っぽではなかった。




私はやがてある男の腕の中にいることに気づく。





「…ただの宿泊客なのに、なぜ君が巻き込まれることになったんだろうね。


冬夜…いや、今は冬斗か。



君は1人の少女の運命を狂わせたんだ」





静かに笑うその人を見上げる。




不敵に笑うオーナーは、ナイフを私の頬に近づけていた。