生神さまっ!

奥で笑うのは…

彼、だった。







「…本当に来てくれるなんて、思わなかったよ」




「…うそ。

だって、扉が開いていた」





あの扉は、きっとホテル側が所有している鍵がなければ開かない。


なのに、開いていた。





「…あれは、俺の願掛けみたいなものだけど」





なんとなく察する。

彼は、"冬斗"なのだと。




私は寒さをこらえ、口を開く。




「…お願い、教えて。

私は何をすればいいの」





私はただの、通りすがりの旅行客なはずなのに。
なんでこんなことになったのだろう。


敬意を払わなければいけないお客様に対し、支配人…冬斗たちの父親が取り乱してしまうほどの秘密に、私は迫ろうとしているのか。





「あと、

この空間は…なに?」





冬斗が笑う。

綺麗に、とても美しく。


冬斗は美形だ。けど、テレビにだってとんでもない美形の人はたくさんいる。



けど、なんでこんなに彼は美しく見えるのだろう。