生神さまっ!

夢じゃ、ない。



それが分かっただけでも、充分だ。



私はホテルの赤の絨毯を蹴り、駆け出した。





スイートルームの客に対して「待て!!」って叫ぶ支配人さん。


あなた、失格だよ。



支配人、失格。




親、失格。





同じだね。冬夜、冬斗。




私はあなたたちのことはあまり知らないけれど、分かったことが1つあるよ。






「…"失格"の親を持つのは、苦しいよね」




エレベーターに台車のようなものを引きずりながら乗ろうとするホテルマンさんをどん!と押し、エレベーターに飛び乗る。




"閉める"ボタンを何回も、何回も叩く。


迫り来る支配人さん。



あれ、なんか黒ずくめのサングラスかけた男の人が3人ぐらい増えてるんだけど!?




…もう、いい!


この際…よく分かんないけど、いい!




早く閉まって!!




間一髪のところで…エレベーターがわずか数センチの隙間を作ったところで、彼らが手を伸ばすが見えた。



けど…完璧に絞められたエレベーターは"5階"に向けられ動き出す。


スイートルーム直行の客用のエレベーターは、これだけだ。




ホテル用のエレベーターがどこのあるかは分からない。けど、近くはないはずだ。