生神さまっ!

エレベーターが1階についたというアナウンスと共に止まり、ドアが開く。


降りて玄関を見たとき…ふと、止まってしまう。




「どうしたの、秋奈」


「…いえ……なんでも、ないです…」




玄関脇に、彼がいた。


彼、が。

名もよく分からない、彼が。



ホテル内は空調が整っていて暖かいからといっても、もちろんみんな長袖長ズボンだ。


そう、彼ももちろん。



歩いて、玄関の方へ行く。お父さんは気づいていないようだった。



彼とすれ違う、そんな時…ふと、見てしまった。




「っ…!!」







彼の首元。

うっすらだけど…赤い擦り傷がついている。




昨日の景色が思い出される。



彼の首には…重そうな、冷たそうな……とても大きい、枷がついていた。