生神さまっ!

「おとう、さん…」



「もうチェックインを終わらせたよ。早く行こう。

どうしたんだ?」





「…ううん、なんでもないの」



ストラップを握りしめたまま、後ろ手に隠す。


そうか、と笑ったお父さんは歩きかけて…止まった。





「…君は、ここのホテルの子じゃないかな?」




お父さんの視線の先を、たどる。


その先には、私がついさっきまで話していた男の子がいた。




「…そうです。すいません、お客様と」



「いや、いいんだよ。ありがとう、娘の話し相手になってくれてね。

これから4日間いるんだ、娘とも話してやってくれ」



「ぜひ」



男の子は笑う。

けどそれは、先程までの笑みとは違う気がした。




「じゃあ行こうか、秋奈」


私の背中に手を添える父。

思わず背中が震えた。けど堪えて、歩く。




「…あの!」



私は咄嗟に振り向いていた。