生神さまっ!




「秋奈」



私を呼ぶ声に振り向くと、笑顔のお母さんがいた。


娘の私から見ても美人なお母さんは、私の自慢だった。




30代後半だというのに衰えないその美貌は、スキーウェアを着ていても全く問題なかった。


なんで私はお母さんと似てないんだろう、とか昔は思っていたっけ。





「ほら、お父さんもう先に行っちゃってるわよ」



「…うん、すぐ行く。先に行ってて」





季節は冬、12月も終わり。


今年の年越しは、スキー場近くの小さなホテルで過ごすことになった。




家族旅行が季節ごとにある私たち家族は、今まで家で年越しをするより旅行先で年越しをする方が多かった気もする。


だから別に、なんとでもなかった。




ホテルに先に向かったという父。私と母は、荷物を持ってホテルに入った。


確かに都会と比べて小さなホテルだけれど、内装も外装もとても綺麗で…多分、すごく人気なんだと思う。


5階建のホテルの最上階、スイートルームに4泊なんて幸せなのだろう、私は。




…けど、実質全く幸せではなくって。