反射的に肩が揺れる。

その姿を見てか、元彰は短くため息をついた。




「全てがバレてしまうまでの繋ぎ止めておける時間は、あなたがツクヨミ様に会いに行っていたら長引いていたはずです。


少なくとも…冬が終わった後だった」



救えたか救えないかは別として、とつなげる元彰。


確かに、彼の言う通りだ。

俺はただ、恐れていたのだろう。





「……元彰、来るな」


「…なぜです?」




微笑みを浮かべている元彰だが、その微笑みには諦めのようなものが浮かんでいる。


全て分かって、俺に問うているのだ。




「…決まってるだろ。




…お前を、殺さない為だよ」




俺は元彰に背を向け、彼女の元へ向かう。

無表情の彼女は「行くわよ」と小さな声で言った。




俺は刀を握りしめ、うなずいた。