これから考えていこう。

まだ私の人生は長いはずだ。


まだ、まだ大丈夫。







「………竜田姫様」



私は、笑う。

ぐしゃぐしゃの顔でも良い、ブサイクでも構わない。

でも笑う。




「わ、たし…



……秋、好きです」





竜田姫様は、綺麗に笑った。


私も笑った。


みんな、笑う。


秋を祝って、みんな笑う。









もしも私が白き楓だとしても。


これから赤色に、橙色に、黄色に、緑に染まってゆく。




つまらない白かもしれないけど。

白があった方が面白いね、って言われるようにカラフルに染まっていこう。






これから。


みんなと一緒に。





染め上げてゆく。












第三章【白キ楓】 【終】