「我は術を扱うのが得意でのう。


お主らを運んでやろうぞ」






「…お前……」







「おう、ツクヨミではないか。

久しゅうなあ。



なんじゃ、えーっと…10年かそこらか。別に久しゅうないか」






「お前、なんでここにいるんだよ。


季節の神は外出禁止だぞ」






「そんなの分かっておる。まあいいではないか」







空いた口が塞がらない。



そんな私を見て、彼女はにこりと笑った。