『アイツはさ…



最狂なんだよ』






……彼の笑顔は綺麗だった。カッコいいし、その笑みは爽やかそうでいて。


誰も彼が…



…ついさっきまで、真っ黒な目をしていたなんて思わないほどに。





「…僕が来たからには、この戦いを…すぐに終わらせるから。


夜を治めるのが僕の役目だ。君達に騒がられては、業務が手に付かない」





銀色の髪を鬱陶しそうに少し掻き上げるツクヨミは、真っ向にいる道真を鋭く睨む。




「…わたしももうこの世界に来て長いですからねえ。力量というのも、なんとなく分かります。

ただただ強さをこの世界で求めていたら、いつに間にかわたしより強い者はこの天界でも数えられる程になっていました」




「…僕はどっち側なのかな?」



「誠に残念ながら、知り得ません。

なんせあなたさまにお会いできるとは、思っていませんでしたからねえ。


…太陽の反対。

……"月のツクヨミ"さまに」