言われてみれば、近くにバルコニーを発見。



その奥では、晴れた空にキラキラと星がきらめいてる。




「はい、見てみます。

ありがとうございました」



「おやすみなさい…

…絶対に、見てね?」




そう言って笑った管理人さんの目が…有無を言わせない力があって。



本当は見る気力なんてなかった。



けど、今すぐにぼふっ!とベッドに倒れたいところを我慢して、管理人さんがいなくなった後にバルコニーに向かう。




うう…寒い!


もう4月なんだけどなぁ…春のはずなのに。



まあ、私の今の格好はロングTシャツにスキニーだし。



腰に巻いてあったパーカーを羽織って、なんとか寒さをしのごう。




空から下に目線をおろすと…そこには、月明かりに照らさてれ美しく光る、桜が。




「夜桜かあ…きれー…」



…お母さんたちと行ったな、お花見。



春はお花見、夏は海水浴。

秋は紅葉狩り、冬はスキー。



四季折々の美しさを、私はこの10年以上も…お母さんとお父さんと一緒に見てきたんだ。



…急に1週間前に、事故に遭ってしまうまでは。




「…ダメだ、気持ちが暗くなる!

…星!そう、星だよ…そろそろかな…」




孤独の悲しさから目を背けたくて、空を見上げる。



すると…一筋、星が流れる。



流れ星…!!