生神さまっ!

するとそこから見えた景色は…先程までの華やかなものとはまた違う。



まるでどこかにトリップしたような…あ、したんだけど…



なんていうか…ビルばっかり立ってる昨日までの景色とは、まるで違うんだ。





このお屋敷は他のところよりも高いところのあるらしくて、下の方には和風の家々が見える。




家々と言っても、そんなに多くはない。



1つ1つが、まるで社会の資料集で見たかのような豪華建造物のように綺麗。



立派な門構えがあって、広い庭がある。



青く澄み切った空に、いい感じの温度。




…でも、どこか…さびしい。



なんで…?





「…花がないから、じゃないかなあ」



「え…?」




後ろから聞こえた春乃の声に反応してしまう。



だって…花が、ない…って…



もう1度外を見る。



…あれ、本当に…全然ない…?




「木も無いでしょ?だから寂しいんだよ」




「うん…

…春乃はなんで私の考えが分かったの?」




振り返ってみると、春乃は確かに私を見ているはずなのに…どこか、別の場所を見ているような目をしていることに気付く。



春乃…?



「…だって、秋奈の表情見てたら、なんとなくね。

些細な変化だけど…うん、やっぱり1番は…」




春乃が、ゆっくり目を閉じた。




「…私もそう思っているから、かなあ」




…ぶわあああっ……っと。



春乃の言葉が途切れた瞬間、部屋に花が埋め尽くされる。



部屋がまるでお花畑のように、突然…!



1度しゃがんで、花に触れてみる…




…柔らかい。触れるんだ…



タンポポに、この小さい紫の花は…なんだっけ?