生神さまっ!

道真は動けない私を見てにやりと笑うと、右手を私の胸元の前へと移動させる。


それこそ胸に触れるギリギリのところまで。




そして…

まるで、体の中で何かが暴れまわるような、そんな感じ。



自分の体なのに、自分で制御できない…!



強い抵抗感、考えられないような吐き気、頭痛…

道真は私の胸の前でくるくると手を回している。




「っ、あ…!

な、にを…」



「…ただ、わたくしは。

あなたさまを、本当の姿に戻したいと思っただけです」





グウォン!と。


胸につっかえていた何かが一気に取れたような。


心にぽっかりと穴が空いてしまったような…喪失感を感じた。




道真はにこりと笑い…いつの間にか、手を戻している。



心にぽっかり空いた穴。


この穴を、埋めたい。

気持ち悪い。

慣れない。




「……あなたさまは、


これで本当の姿になりました」




私に敬語で話すその男を見つめると、愉快そうに笑った…そう、道真。



彼は笑う。

楽しそうに。




「わたくしはただ、あなたさまを戻しただけです。


元の…

……ただ流されて生きる、白のあなたさまに、ねえ」




私は、うなずいた。

体も動く。


あれ、でもなんで。




…私、何を失ったか思い出せないんだろう。