生神さまっ!

「そんな怖がるな。

戦うっつっても、そんなに恐ろしいもんじゃねえぞ?」




夏樹が優しい声で私に語りかける。



優しいけど、夏樹の元気さがなんだか分かるようなその声に、私は思わず笑ってしまう。




「よっしゃ笑った!

…いよっし、俺が実際術を見せてやる!」




「…術?」




「そ、術」




術って…


なんの?




黙って夏樹を見上げると、立っている夏樹は窓の方へ歩いて行った。



そして窓の外へ手をのばすと、ふいっ…っと、一振り手を動かす。



すると…




「……な、にこ…れ…」



ドオオオオオン…!!



「驚いた?」




驚いたもなにも。



窓の外は一瞬で暗くなって…



ドオオオオオン…という低い音を響かせて、赤いキレイな花がその空に咲いた。



花火だ!




「す、すごい!

どうやったの、夏樹!?」



「はっはーん。俺様の手にかかればこんなのチョロいもんよ!

ま、俺は夏専門だけどね」




夏専門…そっか、夏樹は夏の生神だから、花火を…!



って、あれ。



5、6発咲いた花は、いつの間にかうっすら明るくなってきて、わずか1分ほどで元の景色に戻っていた。



なんか、寂しいな…



立ち上がって、夏樹の隣へと行く。