生神さまっ!

「染まればいい」







突如、耳の奥に響く…声。


さっきの、アマテラス様の声とは違う…もっと低い男性の声だし…それに…





「っ、こ、こは…」




目を開く。

そこは…私の部屋なんかじゃなかった。



いや、確かに私の部屋なはずなのに。




色々おかしい。




まず、部屋が薄暗い。今はまだ明るいはず。



それに…




「…誰…」




部屋には、1人の男がいる。






さっき聞こえた声の主で…間違えはないと思う。






すらりとした高身長に、薄暗い中でも分かる白い肌。

見た目からして、20代半ばと言ったところかな。


昔の…平安時代ぐらいの貴族の男性が着ていたような着物を着ている。



ほっそりとした鼻に、決して細すぎないけど…切れ長の、冷たそうな目。



けどその口元には、少しの笑みが浮かんでいた。