1人になった部屋で、ぼーっと天井を見上げる。




…元彰、か。


あれ以来…話してないや。

あの、元彰が…私に、亮太についてちょっと勘ぐってきたあの夜。



…もしかしたら元彰は、冬斗が私と元彰のところに来るってことを考えた上で私を呼び出したんじゃないか。


そう思ってしまう。



もしそれが現実なら彼はかなりの策士だ。




「…私、未だに名前呼べないんだもんなあ」



彼を見ると、どうしても亮太を思い出してしまう。


纏っている雰囲気とか全部違うはずなのに…



…亮太、その言葉が喉のところまででかかってしまう。




「…いつか言えるようになるよね」




天井を見上げたまま、ごろんと床に寝転がる。



そして、目を閉じた。



夕食は6時から。

それまで、一眠りしようかな。