アマテラス様の声はどこか暗い。

それでも綺麗な声だと思ってしまうのは、場違いなことだろう。




「けれど、私がいけなかった部分も大いにあるのです。
いえ…それどころではなく、全ての責任は私にあると言ってもおかしくはありません。


彼と私が疎遠になってしまっても…私は、彼を気にすることがいやで、無理矢理考えないようにしていた時期もありました」




…初めて事件の概要を聞いた時、壮大な姉弟喧嘩だな、なんて思ったけど。

まだまだ私が知らない、アマテラス様とスサノオの関係性があるのかもしれない。




「…弟は決して悪い神ではありません。
例え暴君だとしても…贔屓かもしれませんが、やはり可愛い私の弟ですから。


だから…
…今回のことは、弟に謝らせて。私も謝って。

また、生まれた直後の無邪気な時のように。


笑顔で話したいのです」





「……アマテラス様」



はい、と耳に声が響く。


私は自然に、うなずいていた。




「…私を救ってくれたのは、アマテラス様です」



「……けれど私の判断の間違いで、あなたには罪の意識が宿ってしまいました。

孤児として、人界に手放すこと自体が私の間違いで…」



「けど、確かに…アマテラス様は、私を助けてくれました。

はっきり言っちゃえば、自分がまだ神だなんて思えません。
でも、楽しいんです。こんな状況で楽しいなんて思ってはいけないだろうけど、楽しいんです。


みんなといれる時間が。それを作ってくれたのは、アマテラス様です」