生神さまっ!

道真は突然懐から短刀を取り出した。



すると刹那…その綺麗な白い手に一筋、赤い線が走る。






道真は…自分の腕に流れる血の下にそっと…つい先程までスサノオが飲んでいた猪口を素早い動作で取ると掲げた。



ゆっくりと流れる道真の赤い赤い血。

それは…数滴、猪口に垂れた。





道真は満足したように微笑むと、猪口をスサノオの前に戻した。








「…………わたしの使命は、これであと一つです」






道真は……そう言い残すと、消えた。






スサノオは、猪口を取ると…その中にきらめく、赤いものを見つめた。







「……これで俺も、また1人か」







スサノオは暗闇の中、1人笑う。

その笑みが悲しみを帯びていたことに、スサノオ自身……気付いていない、いや…気付かないフリをした。




そしてスサノオは…


徳利に入っている酒を、猪口にいれたのだ。