生神さまっ!

1人ぼっちなんかじゃなかった。

自分が勝手に壁を作り出していただけなんだ、って…







「…私、やっと…気付いたよ、冬斗…」




「……遅すぎるよ」







いつの間にか、夜が明けてきたのか…障子窓の外から、少しずつ光がさしてきている。



夜は、必ず明ける。

影は、決して消えないものじゃない。




ずっとずっと閉じこもってた。1人の世界に。






「…秋奈は、決して読み手から嫌われる役なんかじゃない。


誰からも愛される、ただ純粋な白い心を持つ…ヒロインだ」






…白が、昔から好きだった。

だって白は…楽だから。


何色にでも染められるし、何にでも流される。



自分が動かなくても、勝手に白は動く。




そう思ってたから、白が好きだった。






白のイメージはなにかと問われたら
”空虚”だとか”冷淡”だとか、そう答えた。









「…俺が白に対するイメージはね」








…夜が、明ける。


長かった。
長かった夜が、明ける。