『秋奈』
呼ばれて、後ろを振り向く。
『あなたが受けるはずだったガラスを、私がなぜ受けなければならないの……』
目の前にいたのは、
赤にまみれた、母の姿。
「ひっ…!」
『許さ、ない…!』
後ずさりする。
すると、何か背中が当たった。
ぬめ、とした…そう思いながら後ろを振り向く。
『お前に……俺は殺された』
「あっ、あ……」
母と同じように、
真っ赤な血にまみれた、父。
『許さない…』
『なぜお前なんかに…』
逃げようと、一歩踏み出す。
二歩、三歩。
……けどそこで、私は気付いた。
……ここはなんて、
白い世界。
「……ああ、夢なんだ」
夢の中は、真っ白な世界だった。
振り向けば……おぞましい姿の2人。
夢の中なら、そう思った私は……口を開く。
「……さようなら。
お父さん、お母さん…
…いや、
家族"だった"ヒト」
真っ白な世界は弾け散って、
そこで終わった。

