生神さまっ!

父は、自分を選ぶ、と。



多分お父さんはずっと思ってたんだと思う。


でも、祖父はそうしなかった。



その中の1つで、1番の理由が、今までもそうだったから。


この会社は叔父で5代目。歴史ある会社だ。


代々社長権は、子宝に恵まれないという事態以外は全て長男が継いできたらしい。



それを、この代で変えるわけにはいかなかった。


…私を痛めつけた後のお父さんが、つぶやくように、私に教えてくれた。


私に本当に教えてくれたのかは分からないけれど。




「……いったい……」




殴られた左頬を抑える。

一昨日蹴られたお腹を抑える。


大きなベッドの上で、1人泣いた。




なんで、こうなってしまったのか、なんて。


私にも、誰にも分からない。



苛立ちのゲージを超えた父は、私が部活を始めようと決断したちょうどその頃、豹変した。




『………ごめんな』




お父さんは私とお母さんに手を上げた後、そう言って…寝室に消えた。



そこから全てが狂った。


もちろん部活なんてやるわけにいかなくなっちゃって、私は憔悴しきったお母さんのために早く帰る。


今では大分大丈夫になってきたけど、一時期は精神科にも通っていた。




その精神科通いにも理由がある。


本来明かされてはいけなかったであろう"秘密"が、解き放たれたからだった。




その秘密さえ明かされてなかったら、もしかしたら"今"は変わっていたかもしれない、なんて。


ただの理想でしかないけど、そう思ってしまう。




3度目か、4度目か。

私を何回も殴っては蹴ってを繰り返しながら、父は叫ぶように言った。





『本当の子じゃないお前なんかを、愛すること自体が無理だったんだよ!!!』