ただ、泣く。


自分自身、これほど涙が溢れるとは思わなかった。



ただ、今までに堪えていた涙が一気に溢れたように。

タガが、外れたんだと思う。



この1年間、ずっと堪えてきたはずの涙の量は、予想以上に多かった。




「………ゆっくりでいいから、さ。

……秋奈の言う"罪"を…俺に教えて」




「…わたし、の…罪……

…でも、これは聞いて心地のいい話じゃないよ…」




「わかってる。これでも、俺は秋奈をこの数ヶ月間見てきたつもりだよ。


……俺に話して、罪を分けてよ。

全部、打ち明けて」




「…でも、私…冬斗に嫌われたくない」



ふっと笑う、冬斗。

温かい手が私のほおを包む。



「可愛いこと言うね。

でも、バカだよ秋奈は。俺は簡単には秋奈を嫌いになれない」



「けど…本当に、良い話じゃない。

私は…


多分、4人の中で1番罪が重い」



罪の意識があった。

けど、止められなかった。



悪いと知りながら、思ってしまった。

何度も最低だと自分に言い聞かせたけど、無駄だった。




「……大丈夫。

…俺たちが真逆の立場だった時、
秋奈は俺を迷わず救ってくれたからね」




「え…?」




それ…なんの、話?

頭がぼーっとしているせいかもしれないけど、思い出せない。