生神さまっ!

実際その顔は大きく笑っていないけど、とても嬉しそうに…私には、見えた。




「ずっと香織は断ってたっぽいんだけど…まっすぐに自分に思いを伝えるソイツに、だんだんと心が惹かれたらしい。


そして…

最近、アイツの過去…つまり俺のことを、アイツは人生で初めてその男に話したって」




夏樹とのこと…

それって、香織さんの事故とかからの話、だよね。


夏樹はずっと、自分のせいで香織さんの夢が…って言ってたけれど、

香織さんはもしかしたら、ずっと……


自分のせいで夏樹がいなくなった、って思ってるのかもしれない。



「…途中から泣き出して話す香織に、ずっとソイツは寄り添ってたらしい。

『香織のせいじゃないって、その人もそう思ってるはずだ』…

そう、言って、ずっと。



それがきっかけだってよ、ソイツを気になりだしたのは。


…香織だって、一歩歩み始めたんだからよ。
俺だって…進んでもいいんじゃねえか、って思う」





やっぱり香織さんは、夏樹のことをずっと忘れられなかったんだ。


けど、きっと…いつか夏樹のことを思い出と振り返られる時が来るはずなんだ。



夏樹はちょっと寂しいだろうけど…本当に、嬉しそう。




「…だからさ、」



「うん?」




夏樹の顔が再度私の顔に近付く…!?




「俺も進むべきだろ、前に」



「…ううん!?なんか違う気がするけど!?」



「なにも違くねえよ、同じだ」



「絶対同じじゃない!」




慌てふためく私に…夏樹が再び笑みをこぼす。


それは…夏樹お得意の、いじわるーい笑みで。