生神さまっ!

「あなたはこう言ってはなんですが、普通の人です」




…自覚はしているけど、こんなにバッサリ言われるとは。



確かに大した個性もない私は、どこにでもいるTHE・凡人ですけどね…?




「しかし、無意識のうちにそう見せてるだけなのです。

あなたは凡人の皮を被っているだけ。


実際はあなたの心の中に、常人とは思えないほどの冷たい心を持っている」




私の胸のあたりをアマテラス様は指さす。




…胸の大きさだって、特別小さいわけじゃないし、特別大きいわけじゃない。



身長も160cm…低くもないし、高くもない。



体重もいたって平均的だし、顔も特別可愛いわけじゃない。



…普通で、どこにでもいる人…それが私なんだよ。



冷たい心なんて…ない。





「…その冷たい心の正体を、私は知っていますよ。

誰かに溶かしてほしいことも」




「…そんなこと、思っていません」




「いいえ。思っているはずです」




「…あなたに、なにが分かるのですか」




アマテラス様の顔を見ないように、とひたすら下を向く。



ただ、思い出したくなかった。




「分かりません。神とて、人間の心を全て把握しようと思ったら壊れてしまいます。

ただ、

あなたと同じような心を、この3人が持っているとしたら」




反射的に、顔を上げる。



視界に入ってきたのは…優しそうに微笑むアマテラス様だけじゃない。




「彼等は春、夏、冬の生神。

秋奈程長くはありませんが、彼等も人界で暮らしていました」




「……!」