生神さまっ!

まずね、この科学の時代…天界だー地獄だーなんて話、信じていたのは今は昔のナントカ時代。



…もちろん、科学の時代の今になっても、解明されていない出来事はたくさんある。



現に…私自身、そうゆうのを見たことがないわけじゃない。



でも。



信じたく、ない。そんな気持ちが大きいんだ。




「…秋奈」




アマテラス様がおもむろに立ち上がり、私の方へ静かな足取りでやってくる。



私より身長が高そうなアマテラス様の銀髪は、彼女の足より長く、20cmばかり引きずっている。



美しい銀髪が、動いたせいで揺れ、私のほおをかすめるほど近くまで来た。距離にして、人1人入るかどうかのところまで…!



白い肌が、そっと私に近寄り…耳元にやってくる。




「…大丈夫です。秋奈、あの事はあなたのせいではありません」




私以外、誰にも聞こえないような声で。



そう言ったアマテラス様は私から離れ、少し笑った。




「…なんのことですか」




「あら…分かっているはずなのですけどね」




知らない。知らないよ、アマテラス様が言っていたことなんて。




顔を背け、アマテラス様の綺麗な琥珀色の瞳が私の目と合わないようにする。





「秋奈…知りたくないのですか」




「…なにをですか」




「決まっているでしょう?

真実を、です」




やっぱり、アマテラス様は神様なのかもしれない。



私が誰にも言えなかったことを、まるでそばでずっと見ていた人のように言ってみせる。