空気、というか…その場の雰囲気みたいなのが、一気に固まったような気がした。


みんなこの1ヶ月気にしてて…話題にできなかったことが、ある。



それは、夏樹から教えてもらった…秘密。





「これを言うのは、四季を全て取り戻してから、そう思っていたのです。

ただ…もう言う時が来たのなら、しようがありません」




私達は黙って、アマテラス様を見つめる。

そんな私達の空気を察したのか、アマテラス様は一息つくと…ぽつり、と話し始めた。




「…生神というのは、神であることは違いありません。

しかし、普通の神と違い…


あなた達は、自分が神であることを知らずにしばらくの間を人間として生きてきました」




私の場合は16年間。春乃の場合は15年間。
夏樹の場合は10年間で、冬斗の場合は12年間。



私達は…

"普通"の子供のはずだった。




「…人間として生きてきた者が、突然神になっても…
人々の上に立ち、神として振る舞うことができるのか。

それこそ数え切れない程の昔、そう話し合われました。


そして、決められたのです。


神が自分のことを人間だと思い込んで人界に少しでも生きていた場合、神としての"権力""地位"…
そして"自覚"を取り戻すために。




人間の魂を、天界に捧げる。

その行動こそが…人を支配し、人の上に立つことの証明になる、と」