この人が…筒姫。



「…夏樹、久しぶりなの」



「ああ、まともに会うのは1年ぶりぐらいだもんな」



「……佐保はずるいの。最近玉が戻って来たからって外出許可もアマテラスから下りちゃってるの。

私だって早く出たかったの」



「いや、筒より遅いヤツ2人いるから…そこは我慢しようぜ」



……なんか、この2人…
一応…筒姫が親みたいなもののはずなのに…

…逆、みたい。夏樹にオカン気質があったとは。



「そうですよ、筒。

竜田達の身にもなりなさい、1年以上全然部屋から出ていないのよ」



「…アマテラス、知ってるくせに。

竜田なら毎日のように結界をといて遊びに行ってるの」




…さらっとチクられてますよ、竜田姫様。

子供のように少し不機嫌そうな筒姫様を、夏樹とアマテラス様が少し苦笑いでなだめている。



幾分機嫌が直ってきたのか、アマテラス様が持つアレに今度は興味が湧いたようで。




「…懐かしいの。夏の玉…」



うっとりとした様子でじぃっとその玉を見つめる筒姫様。

無表情だった顔の口元が、少し上がっているようにも見える。