生神さまっ!

「だ…から、なぜだ…!!

なぜお前は、恨む夏を…!」





夏樹は…手を、上にやった。




「……大切な奴らが、季節を望んでいるからだよ…!

夏が好きなやつだって…


あの世界にはたっくさんいる!ソイツ等に罪はねえんだよ!!




それに…

お前から夏の玉を取らねえと…

他の季節が戻っても、夏の玉が揃わねえと…



春も、秋も、冬も戻らねえ!




そうしたら…

コイツ等、悲しむに決まってんだろ!!」








1つの力じゃ、現人神には負ける…冬斗、前にそう言ってた。



今回の戦いも…1人でもかけてたら、勝ててなかった。




私達は、4人でまだ一人前だ。




「………はっはっは。

…そう、か。


我も、やはり…忘れてたな。


自分に最後まで…見方がいたことを……」




「最後に思い出せて、良かったな…」



「ああ。
…奥州の奴らは、我をかくまってくれた…


それに…

…最後の最後まで、我についてきてくれた不器用な奴が、我には…ついていたじゃないか。



やっと…思い出せた…」




夏樹は…手を、振り下ろす。

するとその手に沿って…義経の体に、炎の道のようなものが一瞬浮かび、消えた。




「…やっとそっちに行けるか…弁慶」



義経は片手で、自分の袴の中をまさぐると…



赤い玉を、ころん、と床に転がした。




「…安心しろ。我はもう終わりだ。

…ただ、もう1人…我には仲間がいる、信じられる。


そこへ…行くだけだ」



義経はそう言うと…突然、消えた。



義経の体は……もう、ない。



あるのは、床に転がる…赤い赤い、炎を閉じ込めたような玉だけ。





「…転移の術……あの状態で使うことは、死にに行くのと同じだな……」