生神さまっ！

ほぅ…と思わず見惚れていると、とっても可愛い女の子が急に近づいてくる。



群青色の髪が揺れて、綺麗。




「あたし、春乃(はるの)！

呼び捨てで呼んで！あと、秋奈って呼んでいいかな？」




「も、ももちろん！」




私の答えに、安心したように春乃ちゃ…ううん、春乃は笑った。



その瞬間、周りに可愛い色鮮やかな花がパアアッと咲いた幻覚までもが起こる。



まぶしい…笑顔が、まぶしい！




「あ、俺も俺も。

俺は夏樹(なつき)。呼び捨てでもなんでもいいから。


あ、俺は秋奈って呼ばせてなー」




夏樹も立ち上がり、私の元へ来る。



近くで見ると、夏樹もホントカッコイイ。



な、なんて顔面偏差値が高い空間なの…私が下げちゃってるけど！




「冬斗、お前も…」




「…ああ」




もうすっかり慣れた気さえする彼は、ちょっと気だるげに私のところへ。



私含め、5人中3人という過半数が不思議な髪色をしているから、彼の黒髪がより一層美しく見える。




「冬斗(ふゆと)。よろしく、秋奈…

冬斗でいいからさ」




2人とがなんだか雰囲気が違って、大人っぽい冬斗。



なにもかも見透かすような目に、惹きつけられる。



"草食系イケメン"…うん、なんだかしっくりくる。




…最初、誘拐犯だなんて思ってごめんなさい。



ちょっと自己嫌悪に陥りそうなところを、笑ってごまかす。