生神さまっ!

夏樹の影と、誰かの影。




お互い揺れて…





_ガキィィイン!





…何の、音?


よく見えない、けど…

…夏樹は、無事っぽい…




そう思ってたところ…突然、祭壇の部屋…通称"祭壇の間"の電気が点く。

すると、奥の方がはっきり見えた。


夏樹と対峙するのは…
袴姿の、見た感じ30代ぐらいの…なかなかかっこいい雰囲気の男性。


…夏樹も彼も、口角の端を上げている…


…笑って、る?




「ああ、もう。1人で突っ走るなよ。

折角俺らが作戦たててたのに」



「え…?

あ、冬斗!それに、春乃も!!」



声が聞こえた、祭壇の間の中央部の壁際。

そこには大きな柱があったらしく、2人はそこに隠れてたっぽい。




「先手必勝、っつーだろ?」



夏樹は冬斗に向かって、ニヤリと笑う。
視線は、自分の目の前の男性…

"源義経"公から変えずに。




「…ほぅ、お前が"夏"…

…噂通りでいけば、お前は術を解くのが得意らしいな」



「お前も噂通りでいけば、封印とやらが得意らしいじゃねえか」




今すぐにでも動き出しそうな2人。
けど、動かない。

相手の一挙一動を漏らさないよう、赤い目で見あっている。



深い紫色の袴姿の義経の目は、赤い…けど、髪の色は普通に黒だった。