辺りに広がる、静寂。


私は夏樹の顔を見ることもできず、下を見ていた。





「…俺は。

最終的には人を殺していないのかもしれない。

でも、人を殺したことを嘘にはできない」




「……ちょっと待って、

夏樹の話を聞いてると…"魂を捧げる"行為をしなきゃ、天界には来れないってこと…!?」




「多分、他の2人も知らないと思うけど…そうだよ。
あ、もしかしたら冬斗は知ってるかもしれないけどさ。


…秋奈なら、俺の気持ちをわかってくれるかもしれない、って…秋奈を初めて見た時から思ってた」




頭の中が、ぐちゃぐちゃになってく。

だって、つまり…


…私がここに来れたのは…



「…秋奈はもしかして、俺と同じような道だったのかもしれねえって思ったんだ」



…魂を、捧げる。
それ、って……



「俺達4人がなんでここにいるのか…それは、
魂を天界に捧げたからだ。

魂を捧げる理由は、人の魂を司る神ということを証明するためだ、っていうのを聞いたことがある」



「それ、じゃ…春乃は…!」


「…春樹、だっけ。俺と同じ"樹"っつー感じがあるからか、俺の名前を聞いた春乃は明らかに俺に対して少しビクビクしてた感じだったな、そういえば。

その理由を知ったきっかけは、倒れた春乃の側にいて看病してた時、"春樹"って春乃が言うのを聞いてた時」




頭の中で、色々考えてしまう。
考えたく、ないのに。

だって…それじゃまるで、春乃は…



「その時、春乃が天界に来れた理由は、

その"春樹"の魂を天界に知らず知らずのうちに捧げたからだ、っつーことが分かったんだ」