生神さまっ!

…ダメだよ、もう。






「…さよなら。


本当に、ごめん。




…そして、ありがとう」





いつの間にか、筒が横に立っていた。


俺の手を、ぐいっと引っ張る。




「…なつぎ!いがないで、ひどりにしないで!

おねがい!いやだ!


もっとはなじだい!ねえ!なつ、ぎ…!!」




「…好きだよ、香織」




俺がそう言ったのを最後に



俺の視界からは泣き叫ぶ香織が消えた。










そして…気付いた時俺がいたのは、無駄に広い和室。




「…ここ、どこだよ」



「天界に決まってるの。

…これから夏樹は、ここに住むの」



「…すっげ。やっぱりホントなんだ」



「本当なの。

彼女と会えない、っていうのも」




傷をえぐるなよ。

ふっと…自嘲的な笑みを浮かべた俺は、側にあった鏡を見て、ふと思う。




「…香織の笑顔は、もっと楽しそうだったな」



試しに、口角をぐっと上げる。

何度も何度も繰り返すうちに、自然な笑顔に近づいてきた。